事業の目的のひとつとは

会社の目的とは何か。

この素朴かつ本質的な答えが、

「顧客を創造すること」

と、ドラッカーは指摘します。

(「現代の経営」上48P)

「事業家の行為が人間の欲求を有効需要に変えたとき、初めて顧客が生まれ、市場が生まれる」とあります。

そして、

「顧客が事業の土台であり、事業の存在を支える。顧客だけが雇用を創出する。そして、社会が企業に資源を託しているのは、その顧客に財やサービスを供給させるためである」

と指摘します。

お客さんこそ、すべて。

会社も大きくなればなるほど「本社機能」が肥大し、その維持活動に時間も労力もとられる。

いわゆる、内向きのこと、「問題」の解決にどうしても目が向いてしまいがちになります。

しかし、原点は外。

お客さんがいてはじめて、会社は成立する。

その上で、ドラッカーは、

「企業の目的が顧客の創造であることから、企業には2つの基本的な機能が存在することになる。

マーケティングとイノベーションである。

この2つの機能こそ、まさに企業家的機能である」

マーケティングは「セールスを不要にすることである」との有名なことばもあります。

売り込みをすることなく、売れる状態にもっていくことこそマーケティング。

そのカギは、お客さん一人ひとりのニーズ、不満なこと、不便さを理解することが出発点の気がします。

困っていることを解決してあげれば、お客さんは喜んでお金を払う。

どなたの言葉か忘れてしまいましたが、

「人生は良かった探し、ビジネスは困った探し」

という、うまい言葉を聞いたことがあります。

企業の基本的な機能であるマーケティングに長けるためには、お客さんの困りごとに丁寧に耳を傾けることを、しくみとして取り入れませんか。

ネット広告の勢い

日経新聞に「おっ!」という記事が載っていました。

「ネット、雑誌を抜く勢い」

とのタイトルです。

昨年、第4のマスメディアであるラジオを抜いたことは、衝撃に新しいですが、今度は第3位の雑誌をも抜く勢いであるとの統計。

道内企業はあまり雑誌を使わない現実から見ると、①テレビ ②新聞 ③ネット

という媒体順位になるのでしょう。

しかも、テレビ・新聞にはけっこうな費用を必要とします。

それを考え合わせると、中小企業のそのほとんどが「ネット広告に移行する」。そんな時代がもうそこまできているのかもしれません。

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マーケティング分析とは

ドラッカーの選書2「創造する経営者」という本は大変参考になる重要指定本の一冊です。

特に「第6章」はわれわれには必須の章となっています。

「マーケティング分析は、単なる市場調査や顧客調査をはるかに越えるものである。すなわちそれは事業全体を見るものである。そして、わが社の市場・顧客・製品ではなく、市場そのもの、顧客そのもの、そして顧客による購入、満足、価値、購買と消費のパターン、そして彼らの合理性そのものを見ようとするものである」

とあります(154ページ)。

ドラッカーの有名なことばがあります。

「企業が売っていると考えているものを、顧客が買っていることは稀である」

常に「われわれ」視点から離れ、「外」から見ることに徹したいものです。

コーポレート・メッセージ調査から

企業には、企業名とともに、短いスローガンのようなキャッチフレーズを開発し、ロゴマークとともにセットでメッセージしています。

この「コーポレート・メッセージ」がどこまで消費者にとどいているのか。

日経BPコンサルティングが実施した調査が新聞に載っていました。

メッセージから、企業名をどれだけ思い出せるか?

第1位は<お口の恋人>

とくれば<ロッテ>ですね。

以下、

<ココロも満タンに>

<あしたのもと>

<うまい、はやい、やすい>

<目の付けどころが、シャープでしょ>

<Inspire the Next>

<安値世界一への挑戦>

いかがでしょうか。

あなたには企業名がうかびますか?

答えは順に、コスモ石油、味の素、吉野家、シャープ、日立製作所、コジマ

です。

大企業のみならず、いや、知名度が圧倒的にたりない中小企業にこそ、この「コーポレート・メッセージ」を開発し、有効に活用する。

ちいさなことかもしれませんが、大切なコミュニケーション手段です。

市場の変化

10月4日の「日経MJ」に興味深い分析記事が出ていました。

「人口減少社会でも、消費は底堅さ」と称しての消費分析記事です。

人口は減りはじめています。同時に1世帯当たりの世帯人数も減っている。これにより、市場構造が激変しているということが書かれています。

これまで、消費の主役であった「ファミリー層」の市場規模が減り、かわって「単身世帯」にシフトしてきた。この単身世帯も、これまでは「若年」の単身だったものが、「高齢者」の単身世帯が台頭してくる、というものです。

「おひとりさま市場」~これに向けて自社の商品・サービスを点検してみる。一人用にどう変化させられるかを検討することは重要な作業では、と感じています。

販売からマーケティングへ

キャノンの新聞全面広告です。
社名変更の企業広告。

「キャノン販売株式会社は、キャノンマーケティングジャパン株式会社へ社名を変更いたします」とあります。
販売からマーケティングへ。

新社名に託したことばには
「一人ひとりのニーズにあわせた製品やサービスを、キメ細かく提案していくために、お客さまのいちばん近くにいて、その悩みや願いに真摯に耳を傾け、積極的にお応えし、一緒に問題を解決していく存在になりたいと考えています」

一瞬なにげない社名変更かと思いましたが、ボディコピーをじっくり読むと180度会社を転換させるほどの決意を感じさせます。

<販売(セールス)とマーケティングは似て非なるものである>

このことのみごとな実践です。
キャノンのコペルニクス的大転換に期待したいです。

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小阪さんの教え

「日経MJ」(旧日経流通)という新聞に、たいへんためになるコラムがあります。

「招客招福の法則」のタイトルで、オラクルひと・しくみ研究所の小阪裕司さんが書いているものです。

知る人ぞ知る、あの「ワクワク系」の小阪さんです。

ぼくは、ほとんどこのコラムは切り抜くほど、ファンです。

今日も、大切なことが書いてありました。

いわく「一連の物語りには、ヒット商品をつくるためのコツがある。それは大切な人に役に立つことを教えるという姿勢だ。彼女も言う。『お客様を父・母と思い、娘や息子、大切なお友だちと思ったら・・・』そこに自分の体験談が加わることで、真実味も増す。これは販促のテクニックではなく、商人の姿勢の賜物なのだ」。

なるほどです。

TAKA通信

プルデンシャル生命保険のライフプランナー・高塚さんが発行されているニュースレターです。

ぼくもお手伝いしてほぼ1年になります。

高塚さん自体は、もうすでに38号出していらっしゃいます。

内容は高塚さんがふだん感じたこと。活動している様子を中心に、顧客である主に企業経営者に役に立つ内容を目指して編集しています。

顧客づくり、フォローのためにはかかせない重要なツールということです。

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マーケティングって何?

コトラーは「コトラーのマーケティング・コンセプト」という著作の中でつぎのようにマーケティングについて本質を語っています。

マーケティングは、生産物のうまい処理方法を見つけるための技術ではない。

顧客の生活向上を支援する技術である。

販売は製品が完成してはじめてスタートする。

マーケティングは製品が存在する前からスタートする。人々が求めているものは何か、自社は何を提供すべきか。その答えをあらかじめ探るのがマーケティングである。

マーケティング・マネジメントとは、標的市場を選択し、優れた顧客価値の創造、伝達、提供を通じて、顧客を獲得・維持・育成する技術である。

マーケティングの役割は、たえず変化する人々のニーズを収益機会に転化することである。

マーケターが目指すべきは、顧客と長期にわたる互恵的な関係を築くことであって、単に製品を売ることではない。

マーケティングは、広告を制作したり、媒体を選択したり、DMを発送する活動だけではない。何をつくるべきか、入手経路をどうするか、継続利用してもらうためにはどうすればいいか。これらを組織全体で解明するより大規模なプロセスなのである。

今日のビジネス界が直面している中心的問題は、商品の不足ではなく、顧客の不足である。ほとんどの産業が消費者の購買力を上回る生産力を有している。

マーケティングを学ぶにことは簡単だ。1日あれば学べる。しかし、使いこなすには一生かかる。

南の島のくつの市場はあるか?

マーケティング本に出てくる有名な話です。

ある南の島に、自分たちの市場があるかどうか検討している靴メーカーの話があります。

その島に派遣された「受注担当者」は、状況をざっと見て「ここの人々は靴をはいていない、従ってここには市場はない」と報告してきた。

この報告に納得できなかった社長は、次に「営業マン」を島に送り込んだ。

営業マンは「ここの人々は靴をはいていない。ものすごい市場がある」と興奮して報告してきた。

残念なことに、この営業マンは我を忘れてしまったため、今度は「マーケッター」が送り込まれた。

島の長にインタビューからはじめた、このマーケティングのプロはこう報告してきた。

この島の人々は靴をはいていない。しかし、彼らは足に問題を抱えている。

そこで、私は靴をはくことで足の問題を解決できる旨を首長に提案した。

その結果、島の人々の70%が一足10ドルの価格で靴を買うだろうと首長と推論した。

初年度、我々は5,000足の販売を見込めるだろう。輸送費などのコストは6ドルと算出した。

結果、初年度の利益は20,000ドルを超える計算になる。

ROIは20%となり、通常より高い数字を上げている。

まちがいなくこの市場に参入すべきである。

「コトラーの戦略的マーケティング」48ページより

この例が示すように、よいマーケティングとは、

①市場機会についての調査

②財務上の試算を備えた、戦略提案

があることだと、コトラーは指摘しています。

受注担当者となるか、

営業マンとなるか、

マーケッターとなるか。

ぼくらの仕事の根幹とすべき、忘れてはならないたとえ話です。

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