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ドラッカーに学び成果をあげるビジネスマンインタビューから2

ドラッカー本を読んで成果をあげるビジネスマン。

先日は札幌市交通局の田畑さんに、お話しいただいた。

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▲田畑祐司さん 札幌市交通局 高速電車部長

[プロフィール]
1955年札幌市生まれ。立命館大学法学部卒業後、民間の自動車販売会社を経て札幌市役所へ。交通局財務課からスタートし、ほぼ交通局に勤務。2009年より現職、直属の部下400人を率いるトップマネジメント。



—お仕事をおしえてください

田畑●札幌市交通局で高速電車部長をしています。
市内の地下鉄3路線と、
中央区を走る路面電車1路線の運営・管理を担っています。
地下鉄の方は全長48㎞、全49駅を運営し、
1日あたり約57万人の方々に利用いただいています。

私はその中で、業務課・指令所・運輸課など全部で7つの課を所管し、
事業管理、技術担当の2人の部長と力を合わせて
安全運行と事業経営をしています。


—ドラッカー本との出会いは

田畑●今から数年前、異動先の部署で
ドラッカーに魅せられた係長さんがいました。
その人が職場内でドラッカー本の読書会を開くことになり、
そこに何の気なしに参加したのがきっかけです。

その読書会では「経営者の条件」が読まれ、
私は例にもれず衝撃を受けたのです。
特に、「成果をあげるのは才能ではない」という部分と、
「汝の時間を知れ」という全くできていなかった「時間管理」の章に
目からウロコが落ちました。

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▲几帳面に線が引かれ、メモが書かれる本


—その後は

田畑●ドラッカーの世界にどんどん引き込まれていきました。
仕事柄「非営利組織の経営」に続き、
初期の著作である「経済人の終わり」などエターナル版は全て購入、
読みあさりました。

ちょうどその頃、
ドラッカー学会の存在を知り旭川で大会があるということで即座に入会し参加。
そこで知ったナレッジプラザに入会して
一層ドラッカーの世界が広がっていったのです。

毎月の「ビジネス塾」への参加はもちろん、
「実践するドラッカーセミナー」にも参加。
読書会にも積極的に参加し、
「読書会ファシリテーター」にも認定されるようになりました。

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▲「経営者の条件」は原書も所有するほど


読書会を通じて価値観を統一

—仕事にはどのように活かしていますか

田畑●ナレッジプラザの会員さんたちは、
とても魅力的な人が多いんです。
人生や仕事、学ぶことを楽しまれている。
そういった学び仲間から元気をもらっていました。
その学びの蓄えを職場にも還元したいと考え、
職場の中で読書会をはじめたのです。
すぐに賛同者が現れ、口づてに参加者は増えました。
通常の読書会の倍のペース、
つまり4ヶ月で1冊を読む早さでやっていたのですが、
10人程度の会が最初は2つ。
そして3つ、4つと班が増え、私一人では回らなくなったので、
“職場内(なんちゃって)ファシリテーター”に
お手伝いしてもらっています(笑)。



—成果はどうですか

田畑●私達の目標の一つに、
輸送人員を地下鉄60万人、路面電車2.5万人にしたい、
ということがあるのですが、
その前提として「安全があってはじめて」という基本があります。

その上で、駅員が親切だとか、
笑顔のあいさつがあるといった付随する価値があります。
これらすべてをひっくるめて、ドラッカーのいう「顧客の創造」、
つまり利用者の創造をすることを事業のコンセプトに据えています。

こういった職場の土壌形成にあたり、
読書会を通じて、「共通言語」ができた、
ベクトルが一致したことが非常によかったことですね。
強みを活かす、貢献を重視するなど
職場の価値観が統一されることで仕事がやりやすくなりました。

会議などで意思決定する際のモノサシは、
「これはドラッカー的にはあっているかね?」
といった視点で検討する。
そういう思考回路や職場風土が醸成されてきました。


—新しい取組みもどんどんされています

田畑●路面電車は2015年に環状化して新しく生まれ変わります。
これを機会ととらえて多くのお客様にご利用いただきたいと思っています。

十勝バスさんの取組みを参考に、
「小さく始める」「ノンカスタマーに聞く」を実践して、
住民インタビューや出前講座など様々な取り組みをしているところです。


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▲読書会を通じて貢献に焦点をあてた部門目標を策定


—ほかには?

田畑●5年前から慶應義塾大学の先生と一緒に
「ヒューマン・エラー・マネジメント(HEM)」という
安全管理活動に取り組んでいます。

これは「人はミスを犯すことが当たり前」ということを前提にして、
「利用者の安心感や満足を高める」ことと、
「働きがいのある職場づくり」という両面から見直すことで、
事故やトラブルが起こりにくい組織づくりを目指す活動。
事故の未然防止につながっています。

このHEMはドラッカーマネジメントと親和性が高く根本は同じ。
我々の基本原則になっています。



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▲フロアの端から全体を見渡すことができる田畑さんのデスク




—今後はどのようなことを考えていますか

田畑●人口190万人の市民の足を担う公共交通は重要なインフラ。
暮らしを下から支えるものだと思っています。
安全はあたりまえ。
水や空気のように使っていただけるような存在になりたい。

それには、利用者の満足はもちろんですが、
職員の満足もなければ実現しません。
皆に対しては、ドラッカーの言う
「貢献に焦点を合わせる」という考え方を浸透させたい。

また、ドラッカーの教えるコミュニケーションのあり方も組織に取り入れたい。
これらを実践して安全をベースとしたお客様満足と、
それらを実現する人材育成を願っています。

そういった意味でも、HEMとドラッカーマネジメントの両方を取り入れて
隅々にまで浸透させ、
我々が取組んでいるこの「札幌方式」を
全国のスタンダードにすることが私の秘かな “野望”でもあります。


ーありがとうございました。

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