« 「いま」の基になる仕事 | トップページ | STVラジオの社長 »

志半ばで亡くなった、ある受験生の話

伊藤真著「夢をかなえる時間術」から。
エピローグに書かれたエピソード。
志半ばで亡くなってしまった、ある受験生の話だ。

   *

あるとき、「伊藤塾」に通信販売用のビデオ教材一式が送り返されてきた。
差出人は、30代半ばの女性の受験生だった。
「伊藤塾」では、遠方に住んでいて塾に通学できない学生のために、
通信教育を実施している。
教材のビデオやDVDを通学するのと同じ授業料で貸し出しているのだ。
教材の貸与期間は、5年間。
しかし、その受験生からのビデオは5年たたずに送り返されてきた。
そして、手紙が同封されていた。
差出人であるその女性は、
離婚したあと、年老いた母の面倒を見ながら、
司法試験の勉強をしていたという。
住まいが地方だったので、通学することができず、
在宅教材を使って一人で勉強していた。
模擬試験の結果もよく、合格まであと一歩のところまできていた。
しかし、自分がガンであることが判明したという。
一時はよくなったものの、再発し、
もう余命いくばくもないと宣告されてしまった。
容体が悪化して、自分で身のまわりのことができなくなってしまう前に、
すべてを整理したい。
そう思って、借りていたビデオを返却することにしたと、
手紙には書かれていた。

本当は自分が司法試験に合格して、母に楽をしてもらうはずだった。
それができずに、母を残して先に死んでいく。
本当に残念だと、彼女は手紙を締めくくっていた。

   *

この話を聞いて、自分の幸福に気づかされる人は少なくない、と
著者の伊藤さんはいう。
夢に向かって勉強できる君たちは幸せだ。
世の中には、勉強したくてもできない人がいるのだ、と。

「もし、いま、余命1年と宣言されたらどうするだろうか?」

時間とは「自分の生き方」そのものだ。
自分がどう生きたのか、その時間の積み重ねが人生だと
伊藤さんは書いている。




« 「いま」の基になる仕事 | トップページ | STVラジオの社長 »

できごと」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 「いま」の基になる仕事 | トップページ | STVラジオの社長 »