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記憶が+、未来想像が−、の時代の空気

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広告は時代を移す鏡だ、といわれる。
広告人はまた、時代の雰囲気ともいうべく空気感をつかむことが必要だ。
先日の新聞に掲載されていた、元博報堂の山本直人さんの小論に深くうなずく。
「世代間の不毛」と題したもの。

筆者は「いまの日本はジワジワと世代間の溝が深まっているようにも感じる。それは、『対立』というよりも、もっと冷めた状態であり、いわば『冷戦』に近いものではないだろうか」という。
「では、この独特の空気感の原因は何なんだろうか。
それは、社会全体が高齢化して、若い世代が相対的に減少したことに関係していると思っている」と指摘する。
つまり、
「人は歳を重ねると思い出が増えていく。その一方で、自分の将来の時間はどんどん減ってしまう。そうなれば、『将来はこうしたい』ということを夢想することは少なくなる。つまり、記憶が増加して、想像が減少していくのだ。すると、社会全体でも『記憶が増えて、想像が減少する』ような状態になっていく」という。

その証拠に、過去を懐かしむコンテンツがあふれる一方だと指摘する。
日本経済の「閉塞感」がよく語られる。
これも、筆者に言わせれば経済指標だけのことではなく「未来想像力の総量が減少している状態」だという。

なるほど、これらの指摘にハッとする。
団塊世代という日本の人口のボリュームゾーンが高齢化し、それに呼応するかたちでメディアやマスコミが、過去型のコンテンツを提供する。
かつて、消費のリーダーとも言われた「F1層」に向けた未来志向の夢商品は相対的に少なくなっている。

このような社会の空気感を変えるにはどうしたらいいのか。
筆者は「社会全体の莫大な記憶を、未来への創造に転化する。過去の反省を若い人たちと言葉で共有することで可能になる」という。

春のスタート時期は、始まったばかりだ。
シニアの人には、記憶に訴えるコンテンツからお金を使っていただき、
若い人には、未来創造のために「将来はこうしていこう」という夢のかたちづくりに協力したい。

先ほど見たテレビ番組の中でも
「100歳まで生きる人の特長」のなかで最も大切なこととして、「目標を持ち続けていること」があげられていた。
故・三浦敬三さんは、百歳になる前にでも「もっとスキーが上手くなるための年度目標を掲げて、トレーニングに励んでいた」そうだ。

人生の残り時間を、もっと有意義に密度ある時間にするためにも、
すべての人に「将来はこうしたい」という「目標を明確にすること」
が、必要なのかもしれない。

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