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「マージナルマン」という生き方~寺島実郎さん

「世界を知る力」 寺島実郎著。

この本の「あとがき」に、しびれる記述がある。

寺島さんの生き方、信条を語った部分。

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●最後に、わたしの心のなかのメッセージでありつづけた「マージナルマンという生き方」について触れておきたい。

社会人としての生活をスタートさせて以来、わたしは「マージナルマン」という言葉を心に抱いてきた。マージナルマンとは境界人という意味で、複数の系の境界に立つ生き方という意味である。

ひとつの足を帰属する企業・組織に置き、そこでの役割を心を込めて果たしつつ、一方で組織に埋没することなく、もうひとつの足を社会に置き、世界のあり方や社会のなかでの自分の役割を見つめるという生き方、それをマージナルマンという。

●サラリーマンとして帰属する組織に参画し、そこでの仕事に積極的に貢献し、評価を高める努力をすることは、きわめて重要である。

ただ、仕事先の組織を唯一の世界と思いこみ、「うちの会社」という意識に埋没し、家畜ならぬ社畜となって自らの存在すべてを譲り渡すことはするまいという意識を失うことはなかった。

自分の時間を確保する努力をし、会社の外の研究会に参加したり、フィールドワークをする試みを続け、それを毎夜机に向い整理して作品にしてきた。

●とりわけ、時代は右肩上がりの「終身雇用・年功序列の時代」を終え、帰属組織を失ったなら生きていけない虚弱なサラリーマンではなく、技能と専門性をもった汎用性の高い人間を必要としている。

自らのテーマをもち、自らのライフスタイルを貫く意志をもちながら、帰属組織に腰を据えて参画する、これがマージナルマンの生き方なのである。

●わたしの場合、経営企画と情報分析という仕事に携わりながら、産学官の知のネットワークのなかで、マージナルマンとしての意志をスパイラルに拡充してこれたといえる。

●産学官の境界を見つめることによって、それぞれの相関のなかで時代が鮮明に見えるということもある。わたしの心のなかでは、産学官のシナジーのなかでひとつの仕事を貫いているという実感がある。世界を知り、課題に挑戦するという仕事である。

時代は断片的な分断された知性ではなく、ますます総合化・体系化された知性を必要としている。

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寺島さんは

「問題は何であり、自分は社会において何をなすべきか」

という意識が、

自らを突き動かしてきたように思うと述べている。

「マージナルマン」という確かな軸足を持ち、

文献とフィールドワークを積み上げ、

世の問題解決のために、提言活動を行う。

分野やレベルは違えど、

ワタシもこの訓えに倣っていきたい。

そんな魂を奮い立たせてくれるような一冊だ。

おすすめだ。

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