「われ広告の鬼とならん」~電通の中興の祖・吉田秀雄の生涯より
広告業界の最大手、電通。
その電通を世界企業にした男、といえば
第4代社長の、吉田秀雄氏だ。
その職業人としての彼の生涯を紹介する一冊、
「われ広告の鬼とならん」
船越健之輔著、を読む。
戦後の広告業界を疾風迅雷のごとく駆け抜けた男の
波乱の生涯。
全ビジネス人必読、とオビに記されている。
内容は、まさに、
今日の広告業界を創りあげたということが
全ページから伝わってくる。
有名な「鬼十則」の背景が臨場感をもって迫ってくる内容だ。
その一部から。
========
昭和32年1月下旬のことであった。
「月間30億円達成を指示」した檄文を社員に配布した。
28ポイントのゴシック活字を使った吉田の意見文書である。
「30億円は必ずできる。
もしできぬと考える者があるなら、その人に申し上げる、
『不可能を可能にする所に新しい生活がある』と。
1.まず、計画し、設計する。
それには常に資料と情報を集めこれを分析総合しておかねばならぬ
2.それに基づき行動予定表、作業予定表を作る。
年間、半期間、四半期間、月間、各日にわけて。
実践活動は、その予定表・工程表に即して、
一分の隙も、遅怠もあってはならぬ。
ヒタ押しに実績を積み上げて行く。
予定通り、行程通り、計画通りに体当たりで作業を進める。
3.計画、設計の良否が勝敗を決定し30億の成否を決する。
4.「勘」や「出たとこ勝負」では、現代においてはもはや大業は成らぬ。
計画、設計なしにはピラミッドは出来ぬ。
永久に賽の河原の石積みに終わると思え。
============
(同、360ページ)
こういった檄文を吉田は、週に1度は社員に配布していたという。
常に叱咤し、一挙手一投足に意見を飛ばしていたという。
これが、吉田の教育だったと記載されている。
「まずは、計画し設計する」
計画にもとづき「行動予定」と「作業予定」をつくれ、と。
あなたは、
今週、どんな行動計画を持っているだろうか。