コトラーは「コトラーのマーケティング・コンセプト」という著作の中でつぎのようにマーケティングについて本質を語っています。
マーケティングは、生産物のうまい処理方法を見つけるための技術ではない。
顧客の生活向上を支援する技術である。
販売は製品が完成してはじめてスタートする。
マーケティングは製品が存在する前からスタートする。人々が求めているものは何か、自社は何を提供すべきか。その答えをあらかじめ探るのがマーケティングである。
マーケティング・マネジメントとは、標的市場を選択し、優れた顧客価値の創造、伝達、提供を通じて、顧客を獲得・維持・育成する技術である。
マーケティングの役割は、たえず変化する人々のニーズを収益機会に転化することである。
マーケターが目指すべきは、顧客と長期にわたる互恵的な関係を築くことであって、単に製品を売ることではない。
マーケティングは、広告を制作したり、媒体を選択したり、DMを発送する活動だけではない。何をつくるべきか、入手経路をどうするか、継続利用してもらうためにはどうすればいいか。これらを組織全体で解明するより大規模なプロセスなのである。
今日のビジネス界が直面している中心的問題は、商品の不足ではなく、顧客の不足である。ほとんどの産業が消費者の購買力を上回る生産力を有している。
マーケティングを学ぶにことは簡単だ。1日あれば学べる。しかし、使いこなすには一生かかる。
マーケティング本に出てくる有名な話です。
ある南の島に、自分たちの市場があるかどうか検討している靴メーカーの話があります。
その島に派遣された「受注担当者」は、状況をざっと見て「ここの人々は靴をはいていない、従ってここには市場はない」と報告してきた。
この報告に納得できなかった社長は、次に「営業マン」を島に送り込んだ。
営業マンは「ここの人々は靴をはいていない。ものすごい市場がある」と興奮して報告してきた。
残念なことに、この営業マンは我を忘れてしまったため、今度は「マーケッター」が送り込まれた。
島の長にインタビューからはじめた、このマーケティングのプロはこう報告してきた。
この島の人々は靴をはいていない。しかし、彼らは足に問題を抱えている。
そこで、私は靴をはくことで足の問題を解決できる旨を首長に提案した。
その結果、島の人々の70%が一足10ドルの価格で靴を買うだろうと首長と推論した。
初年度、我々は5,000足の販売を見込めるだろう。輸送費などのコストは6ドルと算出した。
結果、初年度の利益は20,000ドルを超える計算になる。
ROIは20%となり、通常より高い数字を上げている。
まちがいなくこの市場に参入すべきである。
「コトラーの戦略的マーケティング」48ページより
この例が示すように、よいマーケティングとは、
①市場機会についての調査
②財務上の試算を備えた、戦略提案
があることだと、コトラーは指摘しています。
受注担当者となるか、
営業マンとなるか、
マーケッターとなるか。
ぼくらの仕事の根幹とすべき、忘れてはならないたとえ話です。
道銀ビル7Fにある「ナレッジプラザ」が主催する勉強会に参加しました。
2006年のリニューアル版としての第1回目です。
「カラーでマネジメントが変わる」
「体系的にマネジメントの極意を学ぶ」
この2講座を各1時間学んできました。
特に、みごとV字回復した旭山動物園からの事例はわかりやすく、なるほど納得の内容です。
「目標」と「目的」はちがう。
存在意義、なんのために~、という目的が一番重要。
理想のカタチをつくる
こういう●●はどうですか? という新しい価値観を世に問う。
そして共感を得る。
飼育係り→展示係りへ
役割を変えると行動が変わる
スゲーと言われる会社を目指す
独自のしくみをつくる
このあたりが、ぼくにひっかかったキーワードです。
次回は3月20日に開催。
おすすめの勉強会です。
さりげなく、スポーツ面の下全5段で展開された新聞広告。
なんと長嶋監督親子が出ているではありませんか!
メインビジュアルである1枚の写真は、よく見ると若き日の長嶋家のひとコマの写真。
親子でのキャッチボールのショットです。
子を持つ親、特に男の子であれば、「親子でキャッチボールをする」って子供の成長を実感する重要なシーンですね。
ぼくは、この広告をじーっと見入ってしまいました。
そして、なぜだか、涙がにじんでしまいました。
本物は伝わる。
さりげなく配置された3枚の写真とコピー。
いい表情の写真と、ナイスタイミングの1枚。
いったいどなたが撮影されたものなのでしょうか・・・。
久しぶりに感動の広告に出会いました。
日経新聞では1ページの全15段で展開していた、三菱UFJ信託銀行さんに拍手です。
3日連続の講演会への出席となりました。
道経済産業局主催の「新連携フォーラム」です。
お目当ては基調講演される藤沢さんです。
藤沢さんのボスは、ぼくの大好きな「田坂広志」さん。シンクタンクである・ソフィアバンクの副代表です。田坂さんの著作の「あとがき」によく登場するお名前です。
その藤沢さんの著作が「なぜ、御用聞きビジネスが伸びているのか」
タイトルだけ見れば、あのヒット作の「なぜ、さおだけ屋は~」にもかぶりますが、中身は伸びている中小企業の元気事例とその分析なのです。
その話を聞くことができました。
やはり、「読む」よりは直接「聞く」方がすうだん頭に入ってくるもんですね。
すいぶん「読みもらし」があり、改めて再読しています。
藤沢さんは、スレンダーでなんともかれんな雰囲気のすてきな方に見えました。
写真よりも実物の方がいい。見た目よりも「きちきち」とした「できるビジネスパーソン」との印象を受けました・・・。
著作とともに、おすすめの講演会です。